編者は、長年緩和ケアや看取りを含めて、広く在宅医療を現場で教育、実践されてきた平原氏である。各項目は現在もっともその領域に詳しい著者によって記述されており、この分野の専門家のみならず、医療に関心の高い勉強熱心な一般の人にも、さまざまな面で参考になる教科書である。日本では、緩和ケアといえば、がん患者が対象と思われているが、世界的にみれば、がんと非がんを緩和ケアにおいて区別するのは、もはや不自然なことであると受け止められている。我が国でも、がん、非がんにかかわらず、必要な人に緩和ケアがいきわたるように切望する。本書はその架け橋にもなってくれる存在と思う。