訳者のあとがきに書かれているように、本書は李 子雲・陳 恵芬・成 平編著の『美鏡頭‐百年中国女性形象』の翻訳です。『チャイナ・ガールの1世紀』というタイトルが適切かどうかは分かりませんが、「女性たちの写真が語るもうひとつの中国史」の通り、激動の近代中国を生きてきた女性の生き様が写真に表れているかのようでした。
中国の激動の歴史は、ここに登場する女性たちの運命を時代の表舞台へと押し上げました。女性の地位の低さは中国でも顕著でしたから、これらの人々の活躍はまた女性の社会との係わりの認知のようでしょう。
写真で多くの女性のファッションを紹介しながら、中国の近代史に関わる人たちをたどるような編集がなされています。勿論アジアの女性ファッション史としての関心にも答えられるでしょう。
誌面を覆うような豊富な写真によって、映像を見ているがごとくの鮮やかさで各人の生き様が浮かび上がってきます。写真の下に被写体の女性の紹介が詳しく書かれているのですが、それぞれの人の果たした役割を知らないこともあり、本書の資料価値をもう一つつかみ切れていません。日本人にはどうしても馴染みのない人々の説明が理解しにくいわけですが。
ただ、中国近代史を学ぶ学生や研究者にとっては必須の写真データだと言えましょう。特に演劇史や映画史研究には無くてはならない書籍だと思いました。
内容です。「時代美女」を決定したのは誰か? 妓女と女侠'一九〇〇年頃〜一九一二年 不世出 才色兼備の「五四」女学生'一九一九年〜一九二〇年代半ば さまざまなモダンガール'一九二〇年代半ば〜三〇年代末 最後の閨秀と赤い都市の麗人'一九四〇年代 新中国「十七年」の女性像'一九四九年〜一九六五年 紅装を愛さず武装を愛す'一九六六年〜一九七六年 失われた女性像を求めて'一九七〇年代末〜一九八〇年代末 グローバリゼーション下の多様なイメージ'一九九〇年代〜