一言で言うと、中国人のエコノミストによる現時点でのチャイナリスクを体系的に整理した本と言える。全体的に内容が端的にまとめられており、とても読みやすい。著者は中国人であるが、大学から日本で過ごしており、日本人のエコノミストの主張に近いと思われる。
中国の圧倒的強さは下記の3点であろう。
・2兆4000億ドルの潤沢な外貨準備高
・10%前後をキープするGDP伸び率
・14億人市場
一方で著者が主張するチャイナリスクは下記の3点である。
・中国経済は国有企業が中心であり自由な経済システムではない。
自由な経済化には構造上の問題があり難しい。
・2012年の国家主席交代時の政治不安定リスク。
一人当たり所得3000ドル超えと貧富の格差による暴動リスクの高まり。
・不動産を中心とした非常に脆弱な不良債権問題。
GDPが成長している間はよいがこれが一度止まると雪崩のように崩壊していくのではないかと著者は警鐘を鳴らす。日本はプラザ合意が起点となり90年代のバブル崩壊に繋がったとされるが、今回の中国も同様に欧米の元上げ圧力下での為替のコントロールがキーとなるであろう。