「ロシア学派」っていう言葉と出会ったとき、どの様な印象を持つものだろうか?
勿論、学問の話なんかではなく音楽での話だ。
ピアノでは打鍵を強く弾き、力強く厚みを持たせた演奏をするのが「それ」であるとされ、
比較的近い年代では「
鋼鉄の腕を持つギレリス」や「リヒテル」などがその代名詞と言われており、
このCDにおいては、ラフマニノフとチャイコフスキーという2人のロシアの作曲家の代表的なピアノ協奏曲を
そのリヒテルがソリストを務めるのだから、
「ロシア学派」という演奏を知る上では最もわかり易い一例ということになるのだと思う。
リヒテルの演奏は高音に対して打鍵を強く弾くだけでなく、弱音に対しては繊細なタッチで表現するために、
とりわけラフマニノフ:ピアノ協奏曲2番は彼の演奏に合っていると言われ、1959年の録音以来現在に至るまで
永きに渡って高い評価を与えつづけられているのもわかる気がする。
・・・が、これほどの人気と難易度の高い曲ともなると
腕に覚えのあるソリスト達がそれこそオニの数程録音を残していて、
たとえば「
アシュケナージ」のように「洗練された」と感じるような
リヒテルとは違ったアプローチの演奏も負けない位高い評価を与えられていたりもするので、
「代表盤を探し出そう」なんて妙な色気を出そうとする度に結局は個人の判断のみぞ知る。。。というオチになってしまう。
もう一方の1962年に演奏されたチャイコフスキー:ピアノ協奏曲1番についても、
こちらはこちらで伴奏の「カラヤン」がバンバンとオケを煽った熱い演奏を展開していて、
それにスイッチの入ったリヒテルが真っ向から挑みかかり、お互いに一歩も引かないまま最終楽章にもつれ込むという
まるでデスマッチの様な・・・ しかし弱音での聴かせどころはしっかりと心得ているあたりは、流石としか言いようがない。
( 個人的にも大好きな演奏なのだが )
・・・が、これもこの曲を得意中の得意とする「
ピアノの 魔女・アルゲリッチ」の演奏が代表盤の一角に君臨している。
さぁ、あなたはどうする ?かしこ。