ひどいCDだと思う。レベルの高い音楽愛好家やオーディオファイルにはその卑しい心底が見透かされてしまうのではないか。
第一幕(CD1)と第二幕(CD2)とは音質が違う。第二幕は昨年のジルベスターコンサートのライブ収録。第一幕は演奏されなかったため公演直前のリハーサル時にセッション収録された。こういう場合はともに観客のいないリハーサル時のテイクをメインにして「ライブ録音」とすべきだが、映像DVDも売るためにはそうはいかなかったのだろう。CD2では観客のざわめきなどホール暗騒音をデジタル編集で削り取った痕跡がありあり。
コスト削減のためには、リハーサルに録音セッションを押し込むこともいとわない。DVD、ネット映像配信のための映像収録が音楽そのものよりも優先する。ベルリンフィルも指揮者のラトルもこういう荒技をも平然とこなすから、商業主義にはもってこいのタレント集団なのだろう。
演奏も表面的で、オーケストレーションの妙とベルリンフィルの名手たちの達者振りに喝采するにはよいかもしれないが、内容は空疎だ。せいぜいがフィギュアスケートの伴奏程度の演奏だ。
先行販売の国内盤はさらに音が悪い。どうしても買うなら海外輸入盤だろう。欧米の年末商戦も近づきそろそろ日本でも入手可能となった。