美しい曲が多い事もあり、普段クラシックを聴かない方も、CMやドラマでよく耳にされる事がある有名な曲です。その為、全曲録音や抜粋盤も多く出されていますし、コンサートでもよく演奏されています。私がよく聴くものに、西本さんの兄弟子ゲルギエフの全曲盤がありますが、演奏だけとしては本当に素晴らしいものです。さすが!です。しかし、ゲルギエフ盤ではバレリーナは踊りにくい気がします。バレエは、オベラとは違い、セリフがない為に表情や手足の動かし方、そのスピード、間合い・・・・・それらで表現しなければならない、本当に繊細なものなのです。ゲルギエフ盤は1度聴くと、『満腹?』になりすぎて、繰り返し聴けない『濃さ』があります。
この盤は、以前の西本さんとRBSOの抜粋盤と比べると、オケの違いの影響も勿論ですが、響きが美しい!それに西本さんの成長や西本さんのこの曲への強く深い想い入れがあるのかがよく判ります。
正確さを追求しながらも、本当に細かい部分への表現の拘りが見え、改めて西本さんの豊かな表現力を感じます。これは日本語で、オケとのコミュニケーションを細かく取りながらこそ出来た録音の成果ではないでしょうか。何度繰り返し聴いても飽きることなく、目を閉じて聴いていると、情景や踊りが鮮やかに見えてきます。気がつくと私自身も音楽に合わせて、昔覚えた振りでを踊っていたり・・・(笑)。
曲の解釈、物語だけでなく、踊りの振り付けなどを通して考え抜かれたコンセプトにより、この録音は、バレエをよく知る、そしてバレエを踊った経験のある西本さんだからこそのものですね。
ただ、あちらこちらのコンサートで聴くような派手?な演奏を期待される方には、向かないかもしれないですね。
是非いつか『白鳥の湖』も全曲盤を録音して欲しいです。
来年は、ロイヤル・フィルとマーラーに取り組まれるとのこと。
ロンドンでの活躍を期待すると共に、次の作品が待ち遠しいです。