メディアの垂れ流す報道に何の疑問も持たずに接している人には、本著に記された朝日新聞のこれまでのチベット報道を見て驚くかもしれない。何しろ朝日新聞といえば、「広範な大衆を代表する進歩的メディア」と中国紙からも賞賛を受けている「良識派」の新聞と宣伝されているからである。しかし、朝日のイデオロギーを知っている者にとって、朝日がチベット&ダライ・ラマを罵倒することは至極当然と受け止める。
左翼思想による「平和」とは、民族・伝統・文化・慣習・宗教・国家など全て破壊して、世界を「一つ」にすることだからだ。
そのため、チベットが中国に同化することは、左翼にとっては「世界を一つ」にするため、中共にとっては「世界を中国」にするための第一歩に過ぎない。
朝日新聞はこれまで通り、堂々とチベット&ダライ・ラマを罵倒し、朝日イデオロギーを白日の下に晒す方が潔いし、騙されている日本人のためになる。
サブタイトルに「日本をチベットにするつもりの朝日新聞」があっても良いだろう。
本書の半分は朝日のチベット報道紹介であるが、後半の「康有為の大同世界」「孫文」「毛沢東」と連なる中華思想分析も参考になった。