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こういう本は著者の知識をひけらかすかのように難しい文章で綴られていることが多々あります。
しかし、本書はそういうことが全くなく、さすが直木賞受賞作家、とても読みやすい文章です。
ただ、そうなるとこんどは内容が薄っぺらいのではないかと心配してしまいます。
しかし、それも杞憂に過ぎません。
読みやすくかつ内容の濃い本書のような本は珍しくかつ貴重だと思います。
チェに関する本は現在日本でも多々出版されています。キューバ革命についてはもちろんのこと、彼が鬼籍に入ったボリビアについてのものも多々あります。
ただ、コンゴでの彼の活動について書かれているものはほとんどありません。
そんな中、本書ではそのコンゴでのチェの活動についてかなり詳細に綴られています。とても貴重だと思います。
本書はいろいろな意味で貴重な本ではないでしょうか。
ソレデハ…
だから、作者の前書きでの「ゲバラには熱狂やブームは似合わない」といったのにはけっこうムカついた。同時代人故の傲慢だと思った。誰がどのようにゲバラを好きになろうと勝手じゃんと感じた。
で、本文を読み進めていくうちにあっさり自分の非を認めなくてはいけなかった。とにかく、この本が面白いのだ。作者の体験も交えながら語られるゲバラのエピソードがたまらない。「チャンチョ」「マンボ・タンゴ」「マテ茶」「喫煙」「飛行機の操縦」といった言葉をちりばめ、肩の力を抜いた(ここ案外大事!ゲバラってとかく青筋立てられがちなんで)文章が次から次へと出てきては僕をうれしがらせてくれた。
そう、作者は誰よりチェが「誰をも惹きつけてしまう人間的な魅力-それは敵味方をとわず誰しも認めている p46)ことを知っている。それゆえの勢いだけのブームへの嫌悪であったのである。すみません。僕が間違ってました。
ゲバラを好きになるきっかけはどうでもいいとは今でも思っている。ただ、この本を一人でも多くの人が読んで、その人なりのゲバラへの接し方を育んでほしいし、そのことでその人なりの世の中への対峙の仕方を掴み取ってくれればいいなぁと心から思っている。
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