「TSコミックス」という名称に異論が多かった為か、巻末EDITORS VOICEにおいて本シリーズの定義を「異性へ変身物語を集めたコミックジャンル(変身には異性装も含む)」としてあります。 今回は塩崎雄二さん、吉富昭二さん、高内優向さんが新しく参戦し、新井祥さん、夕凪薫さんが外れました。
14作中10作が前巻または創刊からの設定を継続して居りますが、一話完結式ですので殆ど抵抗無く読めると思います。
内容はTSに伴う主人公の悩み揺らぎを描いた正統派(?)恋愛物(甘詰留太さん)からSF(吉富昭二さん、厦門潤さん)、ジェンダーの混乱が引き起こす多種多様なコメディはソフトな物(たかみちさん)からエロチックな物(ポン貴花田さん、佐野タカシさん、春夏秋冬鈴さん)、妄想萌え分析物(塩野雄二さん)、可愛いデフォルメの四コマ (高内優向さん)、そして本巻「Yellow」の色言葉『狂気』に相応しくシュール・スラプスティックな領域に踏み込んだ物(塩野干支郎次さん、今村陽子さん、おりもとみまなさん、TALIさんそして六道神士さん)と実にバラエティ豊かで、今回も鬱展開無しの読み心地が良くて可愛い絵の作品が大半を占めています。
中でも六道さんの「アカンプリス」は厳格な名門女子校を舞台に鬱屈したお嬢様達の権謀術数に溢れた苛めに徹底して無自覚なマッチョで生真面目な女装子生徒会幹部と唯一の女性役員三条宝の状況が見えてしまって居るが故の気苦労描写が絶妙な快作です。
作者さん達の気分が乗っている感覚が伝わってきます。お薦めです。