チェンジマネジメントの進め方について、ある程度の割り切りをもって、コミュニケーション、トレーニング、サポートの3つに集約し、各々のプロセスを明確に切り出して解説しています。
また、各々の領域について、関連する学術的な知見を取り込んで解説しています(参考文献も掲載されています)ので、更に深く学びたい方には良書だと思います。
更に、各々の領域について、ありがちな事例も添えていますので、実際にチェンジマネジメントを担う方にとっては、共感しやすいものだと思います。
複雑な理論を並べ立てている(実際にチェンジマネジメントは複雑ですので仕方がないのですが)類書や、学術的な裏付けなく著者の経験だけで解説している(これはこれで重要な視点を提供してくれるのですが)類書が多い中、わかりやすく、かつ実践しやすい本書は有益だと思います。
但し、複雑な変革(例えば、企業再生においてM&Aを実施し組織再編とBPRをやりながらリストラもするなど、実際の企業変革でよくあるのですが)においては、本書の内容だけでは済まされません(本書が間違っているというのではなく)ので、あくまでも基本的な実務書として捉えておくことが必要でしょう。