この本は、ぼくらの未来の話だ。
放射能の事故は、それを扱うプラントがある限り、必ず起こる。
原発を選ぶぼくらは、それによってどんな事故が起きるのか、その時ぼくらは何を失うのか。
あまりにも何も知らなさすぎて、知るのも怖くて。報道もされなくて。。何となくそのままに行き過ぎてしまう。
でも、それではダメなんだと思った。
戦争を経験した人は、チェルノブイリの経験を戦争以上の災厄と言い、恐怖政治を経験した人は、それ以上の災厄だと言う。
今まで起きたどんな事よりも恐ろしいと。
だからこそ、知らなくてはならない。未来の命を守る為に。
この本は、チェルノブイリの事故にあった人々の証言や、体験を語っていただいたものです。
このお話をして下さった方々に、深い敬意と感謝を致します。
辛いなんてものでは無いでしょう・・。
日本には55基の原発がある。
そのどれ1つでも、いつ事故を起こすかなんて、誰にも分からない。ミサイルの1つでも落ちれば、たちまちバスラの二の舞になる。(バスラは原発を空爆された。)
そしてその時、この本に書かれた事がこの国で現実になる。
だからこれは未来の話。このまま原発を進めたら、いつか必ず来る未来の。
でも、今は違う。
選択肢が残されているうちに、決断するべきなんだと思う。
今のぼくらは、崖から落ちるのが怖いからと、目隠しをしてる。でもそれは、本当はとても危ない事なんだ。
この本は、その目隠しを取ってくれる。CO2と放射性同位元素。どちらが真の脅威なのか。
語りから浮かぶのは被曝の恐怖だけではなく、未曾有の惨事の中で見える人の心の輝きや辛さが胸を打ちます。
出来るだけ多くの人に読んでほしい本。・・・まだ未来が、選べるうちに。
追記
2011年3月11日。ついに日本は事故のロシアンルーレットを引き当てました。
外務省はかつて、国内でテロ等により原子炉が破壊した場合、どれほど被害が出るか調べた事があります。
そして炉内の核分裂生成物が殆ど漏出した場合、一万人以上の死者、急性障害が発生する可能性を知っていました。
外務省の試算 原発へのテロ攻撃による死亡者数 (あくまで試算です)
(URLを貼れなかったので、お手数ですがコメント欄にてご確認下さい。)
今回、福島第一から漏れ出た核物質は、5月時点の文科省の発表によると全体のおよそ一割という事です。
ぼく達の命は今のところ、たまたま助かっている。
けれども、本当に助かったのだろうか?
被曝による晩発性障害は、五年〜十数年経ってから表面化する。そのことは、この本が何よりも痛々しく語り、伝えている。
果たしてぼくらは、未来の命も守れたのだろうか?
それでも、未来を選択する権利は、現在を生きているぼく達にしかない。
事故によって選択は厳しくなってもなお、その後も続いていく世界をどう生きるかは、やはりぼく達一人一人の知恵と選択にかかっていると思う。
原発、つまり商用炉をどうするかは、ぼくら一人一人が、良く知って素早く決断し、行動に移さなくてはならない。
原発の天秤にかかっているのは、エネルギーやお金ではない。
ぼく達の、そして未来の命が切り売りされているんだ。
他人の未来をかすめ取って自分の富に変えている者達の手を、一刻も早く止めなければならない。
チェルノブイリの祈りとは、同じ悲劇をこの星の何処ででも、二度と繰り返して欲しくないという祈りでもあると思うから。