本書は洋書を翻訳したものですが、存在そのものが非常に貴重であるといえます。
まず第1に、日本語で読めるチェスの本として、入門書を終えた以降の人に対象を絞っています。
つまり、駒の動かし方やルールの説明は本書ではなされていません。
現在書店で見かける日本語のチェスの本で、入門書ではないものは皆無と言って良い状況です。
すなわち、日本語で読める入門以降のものといえば、本書が唯一の選択肢です。
第2に、原書を手に入れることも困難です。
ここで、アメリカのアマゾンにおける本書に関するカスタマーレビューについて触れたいと思います。
原書の著者の著作で、本書と同じテーマを扱ったものに、MODERN CHESS STRATEGYがあります。
こちらは本書とは違い、一冊ものですが、一冊もののストラテジーの本としては最良である、など、非常に高い評価をされています。
そのレビュー中に、
確かに良い本ではある。しかし、これは3冊シリーズの要約版であって、その内容のより完全なものは3冊シリーズの方である。
といったレビューがあります。
この3冊シリーズとは、本書の原書のことであって、日本語版のチェス戦略大全のことでもあります。
以上のように、内容についても高い評価を受けうるものでもあり、また日本において貴重であるのみならず、原書も手に入れ難い本書は、この場でその内容に言及しなくとも、チェスファンなら手に入れるべきものであると考えます。
続刊にも期待しています。