軽快な演技が最近テレビでもよく取り上げられる早稲田大学男子チアリーデングチーム・SHOCKERSに取材した作品。
たしかにお揃いのユニフォームで技を次々に決める彼らはカッコいい。
でも私は聞いたことがある。その技を決めるため、けがや痛さと人並み以上に闘い、泣きたくなるほど練習を重ね、
仲間とのいろんな葛藤に打ち勝ってきてるんだってことを。
だから本物のチアを描こうとしたら、表面的なカッコいい部分だけじゃ、なんかウソくさくなってしまう。
「チアリーダーとは、観客も選手も関係なくすべての人を応援し、励まし、笑顔にする人のこと。
そして、そのために自らの努力を惜しまない人のこと。」
この『自らの努力を惜しまない人のこと』って、とても大事だと思う。
この作品の登場人物も、イケメンや運動神経がいいやつが確かに多いんだけども、そうでない奴もいる。
そういう奴らとそうでない奴らが、目的はみんな違うけど一つのチームに集まって、
最終的には“一人でも多くの人を笑顔に!”を合言葉に、決して器用じゃないけど自分なりの目標を目指して
少しずつ少しずつ演技を磨き上げていく描写には本当に引き込まれた。
また実は、チアって、ほかのスポーツと使う筋肉が全然違うから、
どんなに運動神経がいい奴でも初心者はものすごい筋肉痛に襲われる、とも聞いたことがある。
この作品でも、数々の華麗な技の裏で、登場人物の多くは指にテーピングをしたり、腰にコルセットを付けたりと、
悲鳴をあげる自分の体と必死で闘っている。
そんな肉体的ハードさもしっかり描けてるし、チーム内部での人間関係の軋轢も物語の核としてうまく織り込まれている。
作者の持ち味の“若い感性が爆発”って感じで、今まさに青春まっただ中の読者が引き付けられるのは間違いない。
でも若者だけじゃなく、過去、部活とかで練習に没頭したり、仲間同士で自分の思いをぶつけ合いながらも
一つのことに夢中になった経験がある“OB/OG”ならば、
チアなんかやったことがなくても、きっとこの作品のとりこになれるだろうって思える。