「良い映画」とは?「面白い映画」とはどういう作品でしょうか?
上映時間の間だけでも私達を全く別の世界に連れて行ってくれることができるだけの力をもった作品というのは一つの基準ではないかと思います。
これは正にそんな一本です。
実はこの映画、アメリカで公開時に見てぶっ飛んだ、思い出深い一本であります。
物語はK・サザーランド演じるDr.シュレイバーのモノローグで始まり、早々とエイリアンの侵略テーマであるとネタをばらしています。
安ホテルの一室で目覚めたジョン・マードック(R・シューウェル)が失われた記憶を辿っていくミステリーとして始まった物語は彼の美しい妻(J・コネリー)
そしてジョンが絡んでいると思われる娼婦惨殺事件を追う刑事(W・ハート)が絡んできます。
なぜマードックは記憶を無くしているのか?
なぜシュライバー医師だけでなく黒尽くめの「彼等」までがマードックを追うのか?
そして何よりも、この街に朝日が訪れることがないのはなぜなのか?
徹底した美術・セット・特殊効果のおかげで、「ある世界」を完全に作り上げることに成功しているのが今作の最大の魅力だと思います。
すぐれた映像美術と技術、それが想像力を駆使した「壮大なほら話」が融合した時、大胆で娯楽性に富んだ野心作が生まれました。
物語の後半、常識が崩れ去った後に世界が我々観客の目の前であれよあれよという間に変貌していくのを目撃するのは実にスリリングな経験であります。
好き嫌いの別れる作品かもしれませんが、どうせ「ほら話」ならこれ位はやってもらわないとね。