アマデオが主役の話は今回で終わりとなる(であろう)ダーク系SW小説の4巻目。
前回で提示されたアマデオの心理的葛藤やお姫様との絡みの部分は、ここで一応幕引きとなる。
個人的には、ストーリー展開の面においては、ある意味不満が残った。
私個人は、アマデオとエビータというファンドリア世界には似つかわしくない「善意の象徴」たる面々が、
何らかの形で悪意に満ちたファンドリアの闇を少しは変えてくれることを期待したのだが。
しかし結局は「現実」という壁に押し潰されて、抗争に明け暮れる野心家たちのわずかに残った良心を頼りに、この悪質極まりない世界から脱出するという、
よく言うと「無難な」、悪く言うと「ありきたりでつまらない現実的な」終わり方をしたのが残念だった。
一方で、ダークエルフであるベラの心の動きに関しては、なかなか楽しめた。
結局ベラは、アマデオやエビータのような純粋な生き方に憧れていたのだろう。
(アマデオへの特別な好意もおそらくあったのだろう。そうでなければ、この油断ならぬファンドリアにおいて、わざわざ別れ際に自分の正体を明かす理由がない)
しかし、ダークエルフという生まれゆえに、ファンドリアという抗争社会で生きるゆえに、それらは全て捨ててしまった。
捨てなくてもよい感情まで捨ててしまった(ラミアやカマラサのように下衆な感情に染まるのが嫌だったのだろう・・・彼女は本質的に、アマデオ並に純真なのかもしれない)。
そうであるがゆえに、あんな再会の仕方しか約束できぬベラ。
ある意味、一番「現実」という網に縛られてしまっているのは、彼女なのかもしれない。