SWの小説やリプレイというと、勧善懲悪の要素が強く、善と悪がはっきりしていた傾向にある。
さらに「主人公=冒険者=潔癖な善人」が定説であり、それから離れられた作品はなかなか存在しなかった。
だから、主人公ベラのような「境界」がはっきりしない(現実的な)キャラは、小説ではほとんど描かれることはなく、それがSWという世界観の好き嫌いを決定付けていたように思う。
本作品は、そうではない世界を描くことによって、勧善懲悪の思想を打破したという意味で、非常に興味深い。
ストーリーとしては、ダークエルフのベラの「心情」を主軸に描かれており、彼女の性格から行動の先読みできるので、予想外の展開といったものはあまりない。
しかし、今後の登場人物たちの展開が気になる作品ではある。
ヘッポコやペラペラといったライト感覚リプレイが多い中、硬直化してしまったSW世界を覆せるのは、むしろこういった作品ではあるまいか。