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135 人中、104人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ドキュメンタリーの力強さ しかしザウパー監督自身の「内なるダーウィンの悪夢」まで映し出していました,
By 真木 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD] (DVD)
話題のドキュメンタリーです。ヴィクトリア湖に秘密放流されて繁殖したナイルパーチを主題としていますが、映画はそういう環境問題ではなく、タンザニアの抱える社会問題をクローズアップしています。そしてそれがもう見るも無惨な有様で、「これでもか」と言うばかりにむごい現状を映像の力強さで見せつけます。ナイルパーチの加工によって潤うタンザニアの人々。外国人を相手にする娼婦達も魚の廃棄場で蛆まみれになって下働きをしている女性もみんな言います、「前の暮らしよりずっと良い」と。しかしその実彼女たちはかたやサディスティックな客に切り刻まれて殺され、かたや魚の残骸が発するアンモニアガスのせいで片目を無くします。圧倒的な絶望。パーチが湖の在来種を食い尽くしてしまえば全て終わってしまいます。それは武器を売りつけて搾るだけ搾り取る欧州「死の商人」の醜さと軌を一にしています。この世の地獄です。我々が出来ることは何なのでしょうか。「この白身魚はアフリカの自然を崩壊させている原因になっています」と食べるのを拒否してもそれは全くタンザニアの現状にペイしません。同じくアフリカの窮状を訴えた『ホテル・ルワンダ』でも、ツチ族虐殺の映像を手に入れたのにも関わらず「どうせ白人は食事しながら『ひどいね』と言うだけさ」と言われてしまう場面がありました。次にカメラが向かう矛先は欧州であり、我々であり、下々のものを踏み台にして利をむさぼる一部の人間なのです。そして監督のザウパー氏が「やって来る飛行機には何が積まれているのか」と執拗に取材しますが、聞いても答えようのない対象に聞くその傲慢さは武器を売りつける欧州人の姿勢そのものに他ならないのだと自覚できた時、初めて彼もカメラが向かうべき先を発見できるでしょう。残念ながら彼はまだそこには気付いていないようです。この衝撃作に最大の欠点があるとすればまさにそこなのです。
59 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
この社会の成り立ちをもっと考えるべきだ、と訴えている,
By
レビュー対象商品: ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD] (DVD)
一匹の肉食魚(ナイルパーチ)から始まった、悪夢の連鎖。 複雑なこの仕組みを、 無駄な情報を削ぎ落とした映像によって、 観る者に深く考えさせる良質のドキュメンタリー ヴィクトリア湖の生態破壊 売春とエイズの蔓延 ストリートチルドレン 性的暴力 戦争 これらは ほぼ先進国が引き起こしていると言っても過言ではなく、 さらに複雑なことに、 アフリカの一部の権力者にとっても、 今の連鎖が都合のよい図式だということを よく知らしめる作品となっている。 もちろん ナイルパーチによってもたらされた幸福もあるだろうが、 それは氷山の一角であり、 海面下では声も出せない不幸が沈んでいる。 その不幸は次なる世代へ直に伝達される。 あるアフリカの女性が 「よくわからないけど、 ここで生きていくしかないの」 と言っていたのが印象的 恵まれた私たちにできることは、 「まず誰によって恵まれているのか考えること」 かも知れない。
18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
無力感もしくは吐き気,
By カシアス (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD] (DVD)
この作品には、タンザニアにおける、貧困に起因する様々な事柄、すなわち、搾取される側と搾取する側の格差、暴力、病気、売春といったことが、 オブラートに包まれることなく、「じかに」描かれている。 そういった事柄に対しては深い無力感を感じざるを得ないが、これについては 他の多くのレビュアーに評価を譲るとして、個人的な印象を二つ挙げたい。 まず、日本向けのプロモーションでは、こういった諸々の事柄は、かつて ビクトリア湖に放流されたナイルパーチがもたらした負の連鎖と表現されていたが、 これは正しくないと思う。すなわち、タンザニアの国家経済の貧弱さこそが主因で あり、ナイルパーチはどうあれ、総論としては状況は変わらないだろう。 また、この作品を見終わった時には、先に述べた無力感もあったが、まず強烈に 残ったのは「吐き気」であった。特に、ナイルパーチの、切り身を取った後のガラ を、ハエがまとわりつき、大量の蛆虫がはっているにもかかわらず、食用として 素手で空干ししている場面は、通り一遍のホラー映画よりもはるかに恐ろしく、 本当に吐きそうになった。 無力感か吐き気か、人によって感じるものは違うかも知れないが、普段は心の 奥深くに眠っている何かに鋭く突き刺さってくる強烈な作品。お薦めします。
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