表紙に惹かれて読み始めました。
時代は1899年。
主人公は、奴隷解放後もその制度が続く米テキサス州で、
綿花工場とペカンの果樹園を経営する父と母の下、
(裕福な家庭に育つ)7人きょうだいの
唯一の女の子キャルパーニア11歳です。
好奇心が強くて、元気。
裁縫や料理よりも生物に興味をもち、
一風変わった今は隠居の身の祖父と実験や観察、新酒つくりにも関わります。
夏からその年の暮まで、彼女の半年の出来事を丁寧に描いた秀作です。
祖父の実験室。ホコリをかぶった書棚。
発見したことを書き綴るキャルパーニア赤い観察ノート、
母の頭痛薬であるリディア・ビンカムのベジダブル・コンパウンド、
黒人の血を引くお手伝いさん・ヴァイオラの真面目な仕事ぶり
など気になるディテイルが繰り返され、物語に彩りを添えます。
ただ、それまでの女性の生き方を否定し、
博物学に目覚め、ダーウィンを読む彼女が
兄弟のガールフレンドたちにあれほどに嫉妬するのか理解に苦しみました。
年齢からくるものもあるでしょうし、その辺の人物像のバランスの悪さが
魅力なのかもしれませんが、私は、もう少し達観できていたら、
彼女にエールを送るのにと思ってやみませんでした。
ジャクリーン・ケリーのデビュー作で、2010年ニューベリー・オーナー賞を受賞された作品です。
原作は「The Evolution of Calpurnia Tate」。