ダンボは愛らしく、ストーリーもハッピーエンドですが、実はディープな映画です。
最初のシーン、コウノトリは各地のお母さんに赤ちゃんと幸せを運んでいきます。ダンボのお母さんにも、赤ちゃんが運ばれてきます。他の象たちも、赤ちゃんの到来を楽しみにしていて、ダンボが目の前に現れた瞬間「なんと可愛い子でしょう!」と大いに喜びます。
が、それもつかの間、赤ちゃん象の異常に大きな耳が広がった瞬間、他の象は酷い言いぐさで「ダンボ Dumbo」と名付けます。日本語で聞いていると、「ダンボって名付けましょう」とある象が言ったときになぜ他の象がいじわるそうに大笑いしたのかわかりにくいですが、dumbo(ダンボ)とは、「馬鹿な人」という単語ですし、oをとったdumbは「馬鹿な」「口のきけない」という単語ですので、かなりの蔑称としてつけたのではと思います。
さらに、ダンボがサーカスで失敗したあとピエロという最下層の役にさせられてしまったときにも、他の象たちはダンボをせせら笑います。ダンボは最後まで何もしゃべることもなく(dumb!)、大粒の涙を何度も流すのです。
ふとしたきっかけでダンボは空を飛ぶことになりますが、そのときはネズミのティモシーとチンピラ風のカラスたちがちょっと手伝ってくれます。ダンボは象社会のはみ出し者ですし、ネズミは嫌われ者ですし、カラスたちはおそらく黒人をモデルにしたもので、いわばマイノリティがダンボの才能によって成功していく様子にも見えます。そしてまた、こういった様子が社会なのかと感じるに、なかなかつらいものがありました。