坂根会長の経営者としての深い洞察力やリーダーシップの姿に感銘を受けた。
同時多発テロ後の赤字転落、リーマンショック後の世界経済低迷、超円高のなかでどのようにして大きな危機を乗り越えてきたかの具体的事実から、コマツの「ダントツ」ぶりが読み取れる。
本書を読む前は、優れたトップのリーダーシップや独自の意思決定によるトップダウン的な会社なのかなと思いきや、むしろまったく逆で、「報告、討議、決定」といった意思決定プロセスを機能させ、取締役会を中心に現場に議論させる文化を作っていたり、社内の熟練工から徹底的に話を聞き、ノウハウを文書化しているところ(コマツウェイ)などから、いかに坂根会長が組織を育て、社員を大切にしており、経営スタイルも決してワンマンではないことを伺わせる。特に取締役会が機能している会社が一体どれだけあるのかと首を傾げたくなる事件が多い昨今、経営の本質とは何かということを改めて考えさせられる。
最後の章には今の世界の課題、日本の課題と解決への道筋などを綴っており、非常に勉強になった。