"A Whole New Thing"はセールス的には失敗だったものの、新しい何かが生み出されそうな期待に満ちた作品だった。そして、彼らに初のヒットシングル"Dance To The Music"が生まれ、同タイトルのこの作品が発売される事となる。
このアルバムは"Dance To The Music"のヒットによってより多くのリスナーへ自分達の音楽やメッセージを伝える為の広告塔として意図して創られたものように感じる。ポップで掴みやすい楽曲を揃え、中盤では"Dance To The Music"をリズムを核として創られた"Dance to the Medley"が繰り広げられる。"Music Lover"そして"Higher"という解りやすいフレーズはSly & The Family Stoneというバンドをイメージさせるのに最も適した言葉だと思う。
このアルバムと言うとどうしても"Dance To The Music"やメドレーに目が行ってしまうが、僕個人としてはこの2曲を押したい。Larry Grahamの強烈で疾走感溢れるベースプレイの上でメンバー達の鋭い掛け合いが繰り広げられる"Ride the Rhythm"という曲と、ポリリズム的なアンサンブルで構築された後期のSlyを思い起こさせる"Color Me True"という曲。まだまだ実験的で完成度はそれほど高くは無いけれど、こういった斬新なサウンドはSlyの特徴だと思うし、他のバンドには到底真似出来ないサウンドだと思う。
個人的には前作の方が個性ある曲が充実し好きではあるけれど、このアルバムも充分楽しさを満喫出来る作品だと思う。