筒井さんは40を超えている私の父親より年上なのに...どこから来るのだろうか、このパワーは?ただ、ただ、圧倒されてしまった。
あえて名前を挙げないが、日本SF界の巨匠と呼ばれる方は結構、晩年または近年の作品がガス欠状態になっている場合が多いのだ。それなのに、今年74歳になろうかという筒井御大は、まだまだ進歩を続けているではないか。いったい私たちをどこまで連れて行ってくれるのか?
作品の感じとしては「夢の木坂分岐点(これも傑作だ!)」にちょっと似ているが、「ダンシング・ヴァニティ」の方が毒が強く、かつ浮き世を超越した視点から語られている。この本の文章は、まさに優れた音楽だ。繰り返しながら、微妙に変化していく旋律は読者を予想もしない世界へと導いていく。
日本国は総力を挙げて筒井康隆を保護すべし。まさに人類の宝である。