よくある「青春サクセスストーリー」では終わらず、社会の日の当たらない層に位置付けられるような若者達にスポットライトをあてた人間ドラマとしても
良く出来た作品と思います。
この映画をそういったありがちな「青春サクセスストーリー」に終らせなかったのは、やはりリュック・ベッソン監督のセンスによるものだと思います。
マネージャーは恋人ではなく、妹思いの兄。
彼女に救いの手を差し伸べるのも王子様のようないい男ではなく、
ちょっとうだつの挙がらないサイエンティスト。
お兄さんの友達のやはり社会的にはルーザーに位置付けられるであろう
男や、売店のおじさんなど、決して夢物語のような素敵な人は出てきません。
それゆえ、リアリティは抜群。
そんな中で、ヒロインの女の子の天才ぶりがひときわ眩しく輝きます。
彼女を完全に口が利けない、という設定にしたのは大成功だと思います。
耳が聞こえない人と違って、彼女は「あー」とか「うー」とかいった
声さえも出せません。だから泣くときも声も出ず、それがさらに切なくて、
感情移入してしまいました。また、普段のそういった完全な沈黙があるからこそ、ステージの上でのダンスのダイナミックさに心を打たれるのだと思います。カメラワークもすごくかっこよかった!
ニューヨークを舞台にしても、フランス人リュック・ベッソンのセンスは健在!