本シリーズを全部読んでいますが正直申し上げて充実した文章に比べて漫画が弱いと感じていました。
シリーズ最新作の作画は過去個別に担当していた宮崎陽介さんと原田雅史さんが今回は共同で当たって居ますが、漫画力がアップしており、過去最高の出来です。
絵が飛躍的に黒くなりダンウィッチに起こった怪異現象を探るミスカストニック大学図書館のアーミティジ博士を含めた登場人物全てがどこか歪で不穏なキャラクターデザインを施されており、グロテスクなイメージを高めています。
初期の頃の絵に比べると念が篭って来ています。
そして特筆すべきはやはり東雅夫氏の解説文です。
本作では日本におけるラブクラフト紹介の歴史を江戸川乱歩氏から平井呈一氏、水木しげる氏、大伴昌司氏、荒俣宏氏、栗本薫氏等錚々たる文化人との関わりと共に記しており、大いに読み応えが有りました。
水木氏へのラブクラフト作品からの影響は本誌で触れられている『ダンウィッチの怪』の翻案『地底の足跡』以外でもゲゲゲの鬼太郎『吸血木』に出てくる見えない地底生物「のびあがり」にも感じられました。
漫画に関してはまだまだ伸び代が有りそうで今後このシリーズが続く様で有れば期待出来ます。