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お人よしで国王の拝謁を無邪気に喜んでいたポルトスが、何ゆえアラミスの大叛逆に加担するようになったのか、本作で明らかになる。彼の見せた真実の友情は、長いこと付き合ってきた読者を泣かせるものだった。そして、冷酷無比な陰謀家となったアラミス、リシュリューやマザランをしのぐ王国最大の危険人物となったアラミスも、ポルトスの真心にだけは打ち勝てないのである。
ベル・イール要塞での彼らの奮闘は、銃士時代さながらの迫力である。戦闘要員のポルトスはともかく、気品あふれる優雅な司教であるアラミスも荒仕事に立ち向かうところは、往年の姿を髣髴させる。二人を救おうと機知の限りを尽くして戦うダルタニャンもいい。そして戦い尽き、いつもの朗らかさを持ったままポルトスは倒れる。一人で100人単位の敵を倒した彼なのに、不思議な予兆に見舞われ、アラミスの目の前で崩れ落ちる。そのときアラミスがとった行動は・・・涙なくしては読めません。あの涙と笑いの遺言も、デュマらしくて最高だった。
国王をしのいで台頭する貴族と、決闘が日常茶飯事だった武人の時代を経て、世はルイ14世の開いた王朝文化へと移りかわっていく。歴史としてはここから絶対王政の華やかな宮廷模様を展開するのだが、古武士たるダルタニャンはこの時代の変化を見やりながら、彼にふさわしい戦場という場をもって、物語の幕引きをする。この物語は人生に重要なエキスの宝庫である。真のエンターテイメント小説として、デュマという天才の編み出した最高の物語として記憶に残るだろう。
あと、1巻、腹をくくってお読み下さい!
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