ダライ・ラマ法王のお人柄のよく表れた、心が和む優しいことばのエッセンスがここにあります。飾らない、平易な日常語で、仏の深い教えが語られます。翻訳は、その辺を十分にこなれた日本語に訳しています。
一つ一つの言葉は短いが故に、読む人の心ごころによって、意味も多様で奥深いものになります。一日に一節ずつ一年間読んでいくのも良いでしょう。また、折に触れて、所々を拾い読みするのも良いでしょう。何度読み返しても、その時の自分の心の状態によって、新しい意味を見出すでしょう。読むたびに、心が洗われ、心の迷いが薄らいでゆくのが分かります。
昔から、聖人の教えは、このように人々に語られたことばの集成として伝えられてきたように思います。孔子の言行録『論語』も、キリストの言行を伝えた『福音書(新約聖書)』も同じなのだと思います。このダライ・ラマ法王の本も、常に座右に置いて、心のともし火となる本です。