チベット仏教の最高指導者であり、ノーベル平和賞受賞者でもあるダライ・ラマ法王のメッセージ
集である。
法王のメッセージ集としては、日本では既に「抱くことば 」「ゆるす言葉」等が出版されて
いるが、10年前に出版された「The Little Book of Wisdom」の初の邦訳である本著は、
そういった本の元祖決定版!といえるものだ。
「スピリチュアル」という言葉は、今の日本では使い古された感が無きにしも非ずだが、この
本にこそふさわしい言葉だと思う。
「慈悲」や「利他心」「愛と平和」といった仏教や宗教の枠さえも越えた、人間が本来持つ最も
根源的かつ普遍的な価値の大切さを常に説き続けている法王の言葉が、簡潔でわかりやすい翻訳
によって深〜く静かに心に沁みこんでくる。
コンパクトな本なので、できれば一通り読んだ後もいつも手元に置いて読み返してもらいたい。
ちょっと一休みしたい時、仕事に疲れた時、不安や迷いに苛まれた時、心が折れそうになった時
・・・さっと開いたページを何気に読めば、心がリセットされて新たな力が湧いてくるだろう。
チベット仏教には、釈迦が説いた古代インド仏教をダイレクトに受け継ぎ発展させてきた歴史が
ある。
その長い歴史と伝統の頂点に位置し、しかも悲劇的なチベット近代史の生き証人として苦難に
満ちた人生を歩んできた法王の言葉には、単なる綺麗ごとではない実体験に裏打ちされた深みと
重みがある。
本著は、霊性の分野で世界で最も影響力のあるダライ・ラマ法王の、菩提心と智慧に溢れた小さ
な宝石箱のような本だといえる。