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ダライ・ラマとの対話 (講談社文庫)
 
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ダライ・ラマとの対話 (講談社文庫) [文庫]

上田 紀行
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

どうしたら本当に利他的な社会、愛と思いやりに満ちた社会を作れるのか?
驚き、問い直し、絶句した。
利己化する世界へのクールな認識の上で、ダライ・ラマが激しく語る!

内容(「BOOK」データベースより)

「利他的な社会はあり得るか」「私たちの人生において一番大切なもの」「怒りは悪か」「心の科学としての仏教」「慈悲の実践」「愛と執着の区別」「利己主義と自己嫌悪」「他者依存と悟り」…。仏教を、宗教として、というよりも、より良く生きるための「智慧」「哲学」として学びたい人へ、激しくも熱い対論集。

登録情報

  • 文庫: 280ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/5/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062766477
  • ISBN-13: 978-4062766470
  • 発売日: 2010/5/14
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 左党犬 トップ500レビュアー
形式:文庫
 先日、はじめてダライ・ラマ法王の来日セミナーに参加してきた。人生は一期一会、この機会を逃したらスケジュールがとれない可能性があると思って参加申し込みをしたのだが、やはりなんといってもライブは違うと思ったのであった。
 現代に生きるわれわれの悩み、苦しみにダイレクトに向き合い、対機説法を行うダライ・ラマ。現在の日本仏教には欠如したこの姿勢が、全世界でこれだけ多くの人たちの気持ちを引きつけているのだろうと、あらためて納得した次第だ。

 セミナー出席の翌日この本を読んでみて、さらにダライ・ラマの気迫に圧倒されることとなった。つねに温顔を絶やさず、ジョークを連発するダライ・ラマとは違うダライ・ラマの姿をそこに見たからだ。
 本書は、もともと『目覚めよ仏教!−ダライ・ラマとの対話−』というタイトルで2007年に出版されたものだ。文化人類学者で、「癒し」ブームをつくった張本人であり、近年は日本仏教を活性化するための実践的活動もしている上田紀行氏が、ダライ・ラマ亡命先の本拠地であるインドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマと直接英語で交わした、三日間にわたる、実に中身の濃い、激しくも熱い内容の対話を日本語化したものである。
  日本語で再現された対話は、実に臨場感に充ち満ちたもので、対話のテーマは実に多岐に及んでいる。目次を紹介しておこう。

 序章 ダラムサラへの道
 第1章 仏教は役にたつのか
  幕間−やさしきレフティスト
 第2章 慈悲をもって怒れ
  幕間−驚きと高揚のなかで
 第3章 愛と執着
  幕間−好奇心旺盛な観音菩薩
 第4章 目覚めよ日本仏教!
 対談を終えて

 本書のなかでも、私がもっとも強い印象を受けたのは、ダライ・ラマが「不動明王の慈悲の怒り」に触れた第2章である。「二つの怒り−慈悲をもって怒れ」という小見出しがつけられた箇所で熱く語るダライ・ラマは、まさに不動明王になりかわって、慈悲の心にもとづいた怒りは必要なのだ、社会的な不正を座視していてはいかないのだと毅然と言い放っている。
 もちろん怒る姿だけではない。この対話でもダライ・ラマの爆笑というシーンが何度もでてくる。カラダ全体で喜怒哀楽を表すダライ・ラマに、あらたて感銘する思いを感じた。

 対話者で著者の上田紀行によれば、ダライ・ラマの側も仏教について中身の濃い対話をする日本人を切望していたという。
 体制化し、形骸化した感もなくはない日本仏教、とくに組織上層部にいる僧侶たちには失望することが多いだけでなく、チベット人社会においてすら、近代化の波のなかで、日本が抱えているのと同じ問題に見舞われる可能性があると、ダライ・ラマは憂慮されているのである。

 「リーマンショク」後、資本原理主義の問題が顕在化した現在、本書が文庫化されて再び登場した意味は実に大きい。ぜひこの本を読んで、ダライ・ラマの激しくも熱い思いに触れ、より良く生きるための智慧を学びたいものである。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ポチR トップ50レビュアー
形式:文庫
ダライ・ラマという存在が、チベット仏教の最上位の存在というだけでなく、政治的な存在でもあるということは以前から認識していたが、まさにそうであることを理解させてくれた1冊。仏教的な思想についても語られているが、国際社会の動向、政治的な対談も多かった。この本でいろいろなことを語られているダライ・ラマ法王は、とても論理的な方だと感じた。質問に対していくつかの観点にわけて答え、そして結論を導き出していくその語りは、とてもわかりやすい。

以前、ダライ・ラマの自伝を読んだことがある。日当たりが悪く寒い宮殿で、親元から引き離されて子供の頃から勉学に励み、指導者となっていくまでのプロセスには、辛いことも多かっただろう…と思った記憶がある。そうして帝王学を身につけて今の立場におられるのだ。今のダライ・ラマ14世は、歴代の中で政治的に一番難しいお立場にあるのではないかと思う。お体を大切にしていただきたい。
このレビューは参考になりましたか?
形式:文庫
2006年に上田紀行氏がダラムサラを訪れ、
ダライラマと2日間にわたって対話した内容が
掲載されている。

上田氏の興奮が伝わってくる。そして、ダライラマも熱心に
答えているのがよくわかる対話だ。秘書や通訳が、「あんな
法王みたことない」と言うほど迫力があったらしい。

決して読んで損はないのは確かです。いや、お薦めです。
が、個人的には隔靴掻痒の感が否めないのです。
もうちょっと、突っ込んで話して欲しいところがあったのです。

例えば次のような上田氏の発言に対して、ダライラマの明快な
回答が見当たらないのです。

「社会全体が利己的なものであった場合に、私一人
が利他的であっても、それは結局、周りの人に食いものに
されて、利用されてしまう犠牲者になってしまうのではないか、
ということです。」(38ページ)

ダライラマに答えを求めるのは酷な話なのは承知しています。

「愛と思いやりが大事」と言われるのは、よく理解しましたが、
実社会で実践しようとすればするほど、ヘトヘトになってしまう
人もいるに違いありません。そういう人々への、慰めやエールが
あれば、救われる人もいるかもしれません。

ダライラマもこう言っています。
「現実の社会はこういうシステムにはなっていないでしょう?
つまり、人に対する思いやりや愛をよりたくさん持っている
人たちがたくさんお給料をもらい、人に対して残酷で思いやり
に欠けているいる人が少ないお給料をもらっているという
ようなシステムには・・・(笑)」(43ページ)

ダライラマでも笑うしかない現実なのでしょうかね。

と、批判めいたことを書きましたが、やはりダライラマは、
本物の仏教者であり思想家でもあり、とっても魅力的な尊敬
すべき人物であることは間違いありません。

対話の中では「怒り」や「執着」に対して、「よい怒り」と
「悪い怒り」、「よい執着」と「悪い執着」に分類している
ところが、他の仏教本と比べ、踏み込んだ発言であるように
思います。では「よい・・」とは何か。それこそ、利他的で
あるというこなのです。

そして、利他的な人間になる一歩は、自分に対して慈悲を
持つということなのですね。

「本当の意味の思いやり(センス・オブ・ケア)は、
まず自分に向けられるべきものだと思います。まず自分自身に
思いやりを持ち、それを周りの多くの人たちに広げていく
ものです。つまり、自分自身を忌み嫌い、嫌悪しているような
人は、他者を思いやることなど不可能なことだからです。」
(210ページ)

周りにいる嫌な人、利己的な人というのは、一見自分大好き
に見えながらも、その実、自分を嫌悪していると解釈すれば、
納得がいくように思うのですが、どうでしょうか。
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