著者のメソッドは一見、目の前を通り過ぎる慌ただしい日常のシーンとは何ら関係ないようでいて、じつはそこにおける“主体たる自分”を変えるためのみごとな“王道”となっている。
本書の特色として、著者も修行する武術のメソッドが活き、“身体を使う”“とにかく行動する”“すべてを意識的に行う”といったことが繰り返し述べられ、強調されている。なぜか。
それは、現代人は「近代」という名のカルト(ある勢いを持った集団)にかき抱かれ、ぼんやりとした眠りの裡にあるからだ。夢から覚め、現実の世界をきちんと見据えるためには、覚醒することが必要だ。そのためには“身体を使い、行動のすべてを意識的に行う”ことが何より大切なのだ。
視点が変わり、自分が変わることは素晴らしい体験である。「私はダメじゃないし、こういう本はいらないわ」と思う人にこそ必要な本だろう。