長野県の田中康夫知事が「脱・ダム宣言」を出して議論をよんだのは記憶に新しい。欧米先進国ではすでにダム開発に終わりを告げた。アメリカではダムの撤去すら行われている。一方、日本でもダムによる治水から少しずつではあるが転換しつつある。このような変化は、本書の著者である天野礼子氏の力によるところが大きい。彼女は日本の河川行政を批判し、方針を転換させようと長良川河口堰問題をベースに活動してきた。本書で彼女は自身の活動を紹介しているが、それを読むと、著者の奮闘ぶりと熱意が伝わってくる。本書はまさに天野さんの自伝ともいえるものである。川辺川ダムや諌早湾干拓の問題がマスコミにも大きく取り上げられている。このような状況の中、ダムや川の問題について考えたい、そう思ったときはぜひ本書を手にとって欲しい。