「もう日本にダムは要らない!」
この理論を真正面から展開されたら、貴方はどう考えるだろうか?
この本は、河川工学者の今本博健さんが、『週刊SPA!』の取材班とタッグを組んでダム不要論を展開する構成になっているが、実際にこの本を読んでみると、国土交通省や、都道府県がいかにダムを造ることに躍起になっているか、はっきりと分かる。
特に、日本の場合はダムに限らず、「走り出したら止まらない」公共事業の問題が度々クローズアップされているが、これが単なる税金の無駄遣いに過ぎないことは、誰の目にも明らかなはずである。
しかも、もっと厄介なのは2009年に「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げて政権を奪取したはずの民主党が、国土交通省などの圧力に屈した挙句に、前記のスローガンそのものを反故にしたことである。
その点を、著者の今本さんは厳しく批判しているが、実際にこの本を読んでみると、民主党や、国土交通省の対応そのものに首を傾げたくなってしまう。
なお、この本では長野県知事時代に、あの「脱ダム宣言」をした田中康夫さんとの対談も載っているが、いずれにしろ、この本はダム不要論を展開するための切り札的存在として大いに活用出来る。
だから、日本にこれ以上ムダなダムを造らせないためにも、この本は多くの人に読まれて欲しいと思う。