ジリアン(アンバー・ヴェレッタ)は、3人の子を育てるシングル・マザー。3人
の子どもにてんてこ舞いの毎日だが、そんな彼女に、ボブ・ホウ(ジャッキー・
チェン)という新しい恋人が出来る。ボブは、隣に住む、風采のあがらない中
国人。ジリアンの子どもたちは、ダサいボブを嫌っているが、実は、彼は、
CIA工作員という、もう一つの知られざる顔を持っていた…。
『
バトルクリーク・ブロー デジタル・リマスター版 [DVD]』で、ハリウッド進出
を果たしてから30周年という節目を記念して作られた作品(ただし、日本の
配給会社の便宜的宣伝惹句)。もちろん、ジャッキーのアクションも添えられ
ているが、あくまで、ファミリー・ピクチャー色が強いスパイ・アクションものだ。
冒頭アヴァン・タイトルのクリップ映像の数々は、過去のジャッキー主演作か
ら集められたもの。
脚本は予定調和的であるし、キャラクターたちの造形も平板、ジャッキーの
アクションも控えめで(明らかにダブルとわかるシーンも多い)、過去の高品
位のジャッキー・アクション作品を期待すると肩透かしを食い、物足りなさを
感じる作品であることは事実。しかし、悪人でさえどこか憎めず、誰一人死
なないという(暴力的シーンは、笑いに包んで)、誰も(特に子ども)が楽しめる
本作の健全なエンターテイメント性は、おそらくはジャッキー本人が目指した
ものなのだろう。
また、ジャッキーとしては、かねがね「アクション俳優ではなく、普通の俳優
として活躍したい」と述べていたように、冴えない中年男と精悍な工作員と
いう異なる役柄を柔軟に演じて、彼の「普通の俳優」としての演技の幅と力
量も存分に堪能できる。加えて、『
ベートーベン 【ベスト・ライブラリー 1500円:ファミリー映画特集】 [DVD]』
や『
ジングル・オール・ザ・ウェイ [DVD]』など、「子どもに翻弄される大人」
を描くことにかけては随一のレヴァント監督の演出で、ジャッキーと子どもの
触れあいが微笑ましく描かれている。三女を寝かしつけるために、中国の子
守唄を歌うシーンや反抗的な長女と一緒に、屋根の上で語らうシーンなどは、
しんみりとやさしく温かい味わいがある。
本Blu-rayは、新作ということもあり、明るくシャープな色調の画質。ただし、
深みはあまりない平板な感じ(元々の作品のルックかもしれない)。音声は、
DTS-HDで明瞭。日本語吹替えも収録。特典は、予告編、メイキング、NG
集、インタビュー…と計45分ほどが収録されているが、インタビューが大半
を占め、バランスが悪い感じは否めないのが残念だ。