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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
屈折した人々の日常,
By
レビュー対象商品: ダブリンの市民 (岩波文庫) (文庫)
『ユリシーズ』で知られるジョイスの短編集。この『ダブリン市民』も非常に有名な作品で、このまえNHKラジオの 「原書で読む世界の名作」でも扱っていた。そのこともあって、原典も 書店で容易に入手可能。 最後の二本、「恩寵」と「死者たち」が長いが、ほかの作品はかなり 短く、すいすい読み進めることができる。岩波文庫としては字も大きく すっきりとしていて読みやすい。 描かれているのはダブリンの日常である。子供が学校をサボったり、 男たちが酒場で黒ビールをやったり、親が子供を殴ったり、パーティー が開かれたり・・・どれも、大事件ではなく、普段の生活のひとこま である。しかし、穏やかな日常ではない。宗教の問題、イギリスへの 反感、アイルランド人としての意識、階級意識。多くの社会問題を抱え ていたアイルランドの人々の屈折した感情が描かれ、鬱屈した雰囲気を 感じさせる。 はっきりとした結末を述べない短編も多く、読者に考える余地を与えて くれる。 巻末にはくわしい解説が付されており、勉強になる。
57 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
訳者のセンス,
By カスタマー
レビュー対象商品: ダブリンの市民 (岩波文庫) (文庫)
今日文庫で読めるものとしては、安藤訳、高松訳についで3冊目ということになる。それなりに特色を期待するわけだが、訳自体は高松訳系のやや硬い和文英訳調で、安藤訳と好みの分かれるところだろう。第4話"Eveline"は高松訳を継承してイギリス英語流に「イーヴリン」と読んでいるが、安藤訳「エヴリン」がダブリンの発音に近い。この話の最後で"Eveline! Evvy!"というセリフがあるが、結城氏は「イーヴリン!イーヴヴィ!」と無理して読んでいる。別にアイルランドの英語を知らなくても、基本的英語のルールからして"Evvy"を「イーヴヴィ」などと読むのが不自然だということは分かるはず。やはり、皮肉なことに一番古い安藤訳「エヴィ」が一番正解に近い。 今はアイルランド人の朗読も入手して聴ける時代なので、その気になれば簡単に確認できたはず。小さな誤りをあげつらうようではあるが、もう3訳目にもなる作品なのだから、訳者にはこの方面の機微も分かるセンスが欲しかった。
26 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
訳者のセンス,
By
レビュー対象商品: ダブリンの市民 (岩波文庫) (文庫)
今日文庫で読めるものとしては、安藤訳、高松訳についで3冊目ということになる。それなりに特色を期待するわけだが、訳自体は高松訳系のやや硬い英文和訳調で、安藤訳と好みの分かれるところだろう。第4話"Eveline"は高松訳を継承してイギリス英語流に「イーヴリン」と読んでいるが、安藤訳「エヴリン」がダブリンの発音に近い。この話の最後で"Eveline! Evvy!"というセリフがあるが、結城氏は「イーヴリン!イーヴヴィ!」と無理して読んでいる。別にアイルランドの英語を知らなくても、基本的英語のルールからして"Evvy"を「イーヴヴィ」などと読むのが不自然だということは分かるはず。やはり、皮肉なことに一番古い安藤訳「エヴィ」が一番正解に近い。 今はアイルランド人の朗読も入手して聴ける時代なので、その気になれば簡単に確認できたはず。小さな誤りをあげつらうようではあるが、もう3訳目にもなる作品なのだから、訳者にはこの方面の機微も分かるセンスが欲しかった。
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