何もない空の上の戦闘機乗りのお話。シリーズ第3巻です。
主人公は空を飛ぶことが当たり前で、人を殺すことや自分が死ぬことについて、何の疑問も持っていない。主人公が当たり前だと思っていることには何も説明がついていないので、いつも感情移入してしまっています。戦闘機の用語などは分からないけれど、飛んでいる様子を映像にして追っていくと恐ろしくきれいです。
地上の世界の現実感のなさが、空中の詳細な書き込みとの対比で恐ろしく浮き上がってきます。私の日常も、本当は書く必要のない日常と、どこまでも突き詰めるべき思考とに分かれるのではないか?
読んでみて重力にしばられていることを感じるのです。この感覚は言葉ではきっとうまくいえません。
装丁だけでも、見てください。シリーズ三冊ともとてもきれいです。内容と装丁が素晴らしく合っています。