1935年作品。
前作は佳作「
私は告白する 特別版 [DVD]」、次作は大傑作「
裏窓 [DVD]」です。
当時は、今はやりの“3D”映画として上映されたそうで、それを意識して撮影が行われたとのことです。
仰角やローアングルが使われているのはそういう事情。
トリュフォーとの対談本「
定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」から。
「それ(「ダイヤルMを廻せ!」)については大して語るべきこともないだろう。…さっさととばして、つぎにいこうじゃないか。…立体効果をだすために、ことさら仰角やロー・アングルで撮ったものだよ。穴を掘って、キャメラマンたちはそのなかに入り、キャメラをいつも地面の低さにセットできるようにした。…グレース・ケリーが首を絞められながら身をまもるために懸命になってハサミを手さぐりしてつかむところ。あそこと、ジョン・ウィリアムズが事件のカギになる鍵を見せるショットはわりとうまく立体効果が出た」
さて、画質ですが、リマスターされているわけではないので、普通の古い映画程度で難はありません。ほとんど疵はないので、安心して鑑賞できます。
吹き替え音声が入っているので、これはこれで楽しめるのですが、音あてが下手で雰囲気が台無しになっています。特にグレース・ケリーの声は相当違和感があります。
特典映像(「ヒッチコックとダイヤルM」「立体的歴史」)が29分入っていて、見る価値があります。買うなら特別版が良いと思います。
個人的な感想です。
この作品が、まさにヒッチコックの傑作群の幕開けとなります。
理想のヒッチコック・ヒロインともいえるグレース・ケリーが初主演した作品でもあり。
ただ、演劇を映画化した室内劇で、会話で話が進んでいくためか、私にとってはどこか突き抜けた感じがしない作品でした(ただ、人気のある作品ですし、トリュフォーも大好きなようです)。同じ傾向の作品なら、私は「
ロープ [DVD] FRT-002」のほうが好きです。
ヒッチコック自身もあまり気に入ってはいなかったようです。
人気度からいえばイチオシの部類に入る気がしますが、この作品の後に連なる傑作群を考えると見劣りがするように思います。個人的にはイチオシの「次」におススメです。