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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
脱「いきづらさ」、「自己卑下」社会へ,
By
レビュー対象商品: ダイバーシティ (単行本)
べらぼうにおもしろかったです。☆を6〜7つぐらいつけたい。社会学のエッセンスを物語に応用しつつ、「ダイバーシティ」の可能性へと読む物を誘う手法は、それこそ、ダイバーシティ。いままでの、小説とも、学術入門書とも異なり、とても新鮮です。 老若男女を問わず、物語としても、社会を考える素材としても、楽しめると思います。 さし絵の、いかにもファンタジーな、読者の内面に入り込んでくるようなタッチも、とてもいい。 学術的解説(たねあかし)や著者の意図が明確に書かれている分、ありがちな説教臭い啓蒙小説にも陥らずにすんでいるとも、感じました。 なにより、著者の、世界への明るい希望構築に向けた”思い”には、素直にとても共感しました。 社会は、こんなふうに、すばらしいものになる。 そして、その予言が、自己成就する。 日常での人間関係から、成就したい方向を意識して行動することが、鍵となりそうです。 そして、それが、社会的な大きなうねりとなるか、どうか。 なりつつあるのだと信じて、物語を読み終えました。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
子育てにも示唆あり!!,
By にこ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ダイバーシティ (単行本)
本書は、ファンタジーを読みながら「社会学ってこんな感じかな?」といったイメージを持つ事ができるのではないかと思います。挿絵も素敵ですし、『私の服』、 『7つのボタン』の設定も興味を引くので、ファンタジーが好きな人であればど んどんと読み進められるのでは。主人公ミナが遭遇する”関門”として「カ ントの道徳哲学」、「囚人のジレンマ」「統計の選択バイアス」「事後確立」な どが紹介されますので、高校生が大学の専攻を考える上での一助にもなるのではないでしょうか。 ただ、それだけではなく、子育て中の母親にとっても示唆となる部分がかなりあ りました。例えば、最初の話である「6つのボタンのミナと・・」では子供が肯 定的なアイデンティティを持つことの重要性を感じましたし、2つめの「ライオ ンと鼠」では、著者が地下鉄の中で遭遇した親子のやりとりを例に、日米の「恥」 の概念の違いや「子育ての規範」について述べておられ、”私ならばどうするだろう??”と思わず胸に手をあてて考えてしまいました。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「さめた頭脳と温かい心」に満ちた味わい深い一冊,
By Q2 (宮城県仙台市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ダイバーシティ (単行本)
本書は社会科学的思考法の優れた入門書であると同時に、著者の「さめた頭脳と温かい心」がにじみ出た珠玉の作品集であると思う。前半の社会科学的ファンタジーには、随所に社会科学的な問題が秘められており、その部分について自分で考えるだけでも、社会科学的なものの見方を読者が身につけられるような工夫がなされている。しかし、このファンタジーをよく読むと、実はさらに重要なメッセージがあることがわかる。通常のファンタジーであれば、主人公が望みのものを手に入れてハッピー・エンドということになるのだろうが、著者はそのような形でこの話を終わらせてはいない。著者がそのようなよくあるタイプの結末を選ばなかったことで、この話はむしろ、「自分には何か足りないものがあるのではないか」と思い悩み、またそのことで差別やいじめなどを受けている人たちに対して、暖かい言葉をかけるものになっているように思う。 後半の教育劇では、日米社会の比較が取り上げられている。ここでも、へたをすると安易な「文化決定論」に陥りがちなトピックを、著者はうまく料理し、現代社会において規範形成・合意形成はどのように達成されるのが望ましいか、という普遍的な問題へと読者を導いてくれる。また同時にこの教育劇は、そのような合意形成について考えるにあたって、「対話」がどのように重要な役割を果たすかについての事例としても読めるようになっている。 読めば読むほど味わいの深い本である。
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