久々に400pの本を一気読み。後に回せなかったという個人的な事情も有りましたが、一気に読ませる
「勢い」があったのも事実。上巻で貼りまくった伏線は、一気にクライマックスに向かって紡がれて
いきます(但し、未解決になっている部分も多い)。
上巻で感じた「エヴァ」らしさは最後まで続きました。シンジと同様に、主人公栂遊星(トガ ユウセイ)
も、結局は「己」の為に闘いました。そう、人は大義の為に生きるのではなく、極めて個人的な事由で
生きるのだ、と。
「人類の危機」<個人の尊厳だったのです。でも、それは今の時代、極めてリアルなものとして感じ
られます。「大義のために」では白々しいのです。その「空気」をSF的な世界で再現したのは見事です。
エヴァ的なものでは無く、SF的な舞台を活かした「或る若者とそれを支える人の群像劇」と読むべき
作品かなとも思います。最終章は、マーラー/交響曲第9番最終楽章をBGMにしていたせいもありますが
(各人が或る「想い」の元に集い、最終決戦に向かう箇所以降)、涙腺をヤラレマシタ。
それ故に、最終決戦のあっけなさが残念。後日談に軽く触れたエピローグは良。
しかし、SF的な設定に、もやもや感が残る(設定が詰めれていない・振りっぱなし)ところや
エヴァの影から逃れられてないように感じる点は、やはり「勿体ないな」という感想を持ってしまいます。
前述した最終決戦のあっけなさと併せて、これらの部分を割引、☆4つとしました。
※二段組上下巻で800pの重量級。隙間時間で読むよりも、どこかで時間を取って一気読みすることを
お勧めします。