ダイアナ妃の誕生から葬儀までの生涯を、写真と生前にダイアナ妃と深く係わり合いのあった人々のインタビューで構成された本書、まず何よりも、豊富で公私にわたる数々の写真が素晴らしいの一言でした。ダイアナ妃が、結婚する前の写真の中には、バレエシューズとレオタードに身を包んでポーズする姿や、飛び込みをきめる瞬間などのプライベート性の高い写真をはじめ、寄宿舎に入り、不安と寂しさが漂う写真からは、どこにでもいる少女らしい一面が覗けたようでした。また、華麗な結婚式の舞台裏を撮った写真には、バッキンガム宮殿のバルコニーに立つロイヤル・ファミリーの後姿なども拝見できます。来日した時のドレスや、オークションにかけられたファッション一式も紹介されています。実弟のスペンサー伯、二人の姉、実母以外にも、政治家や著名人ばかりでなく、デザイナー、慈善団体の関係者、ダイアナ妃が個人的に接した患者たちのインタビューによる文章は、逸話も多く、ダイアナ妃の人柄や足跡を知る上で興味深いものがありました。内容的には、地雷問題、難病や社会的に疎外された人々に対して、王族として初めて触れたダイアナ妃の慈善活動に焦点があてられ、かなりのページを割いている点が特徴です。離婚問題などのスキャンダルは、極力避けられており、ダイアナ妃の功績を考えれば当然ですが、非難めいた文章は見当たりませんでした。ただ残念なことは、写真のキャプションがなく、文章から推測するしかないので、ダイアナ妃が学んだ学校の集合写真を見て、本人と見分けるのにちょっと苦労しました。