3を観た後これを観ると、比較してしまうようだが、その素晴らしい出来と10年以上経過した今でも新鮮さや斬新さを感じる世界観に感動する。本当の意味での傑作は、何年経とうが色褪せないものだ。
ストーリーやキャスティングの素晴らしさもさることながら、音楽の使い方も素晴らしい。当時、爆発的に人気のあった悪ガキバンド、ガンズアンドローゼスの曲は、不良少年なジョン・コナーのイメージにぴったりだし、盛り上げる部分でもそのサントラは冴え渡っている。
また、そんなジョン少年が、冷酷な殺人マシーンであるはずのT800に、命の尊さや人間の感情の素晴らしさを理解させていく姿、また演じるエドワード・ファーロングのどこか影のある悲しげな表情には、未来の救世主になる事を予感させる、人間的な器が非常に良く伝わってくるものだった。どうしても、この手の話になると、お国自慢的な表現(冒頭で星条旗アピッてる3なんか良い例)になりがちなハリウッド映画にない、反戦、戦いの虚しさ、人間の愚かさを表現している監督の姿勢には、本当に感心したし、オープニングの燃え盛る公園の表現や広島や長崎を参考にしたという核爆発のシーンも、もはやアクション映画の枠に収まりきらない、現代人への警告とも言えるリアリズムに息を呑んだ。どんな大金をかけてCGでいかついシーンを作っても、簡単に人の感情を揺さぶる事など出来ない。むしろ、その表現の仕方なんだろうと思う。
この映画は、当時、まだ目新しいT1000のCG表現が話題になったが、それだけではない、心にガツンとくる映像センスや訴えかけたいメッセージが強かったからこそ、今でも何度も観たくなる作品なのだと思う。
クライマックスに近付くに従い、人間的な愛情の様な感情に目覚めていくT800の姿にも感動した。
それに1、2において、このシリーズには強いメッセージ性をもった、名言とも言える台詞が映画をより締まったものにしていた。
例えば1の、嵐が来る・・・と言う部分や、2のT800の最後の台詞、
涙を流す気持ちはわかった、私には流す事はできないが・・・やサラの機械のターミネーターが命の尊さを理解できるのなら私たち人間にできないはずはありません・・・など、
強烈に観る側に訴えかける台詞が3には全くなかった・・。
そういう意味でもやはりキャメロン監督がターミネーターは2で完結していると述べた理由はわかる気がする。