クレメント・ムアの格調高く、でもくすっと笑いたくなる「クリスマスのまえのばん」の小さな物語に、1980年にイラストを書いたターシャさんが、80歳を過ぎた2000年ごろ、全面的に絵を書きなおした新版。
前後の見返しには、ターシャさんの愛するコーギーやネコの、クリスマスをお祝いする絵が4パターン描かれ、それだけでもぜいたく! 本文の絵も、舞台は夜なので全体的に沈んだトーンですが、ページのあちこちに、子ども(大人も?)の夢に出てくるような、愛らしいカラフルなプレゼントや、きれいな飾り、またひと昔前の家の中の小物が、一つ一つ丁寧に書きこまれています。家の動物も外の野生動物も、小さいながら正確に描かれ、フクロウなんて何種類いるのやら。
なんとなく懐かしく、しーんと深い静寂に包まれていて神聖で、外は寒いはずなのに、胸の奥がほのかに温かくなってくるような不思議な本。どのページも、星空をバックにした卵型の中に絵が書かれているのは、天上から神さまが見ていらっしゃる図だから? キリスト教徒でなくとも、その日を心待ちしてしまいそうな、完璧に美しい絵本。大人にさしあげてもとても喜ばれそうですね。ターシャさんは、やっぱりすばらしい。