ラーメンに「こだわり」とか「究極」とか「激戦区」とか、なかった頃のお話。
昭和の残り火、プレバブル時代の雰囲気が残されています。
誰も思いつかなかったラーメン映画、伊丹十三の先見の明が感じられます。
似た映画を作れば二番煎じになるので、彼のせいでラーメン映画はだれも手が出せなくなりました。
ラーメンガールの駄作ぶりがそれを証明しています。
本編もとても面白いけれど、途中に入る全く関係のないエピソードが味を出しています。
幻想的なほどエロチックだったり悲しかったり。
いちばん好きなのは白服の男が凶弾に倒れ、イノシシの腸詰めの話をするシーンです。
もう200回くらい見たかな?マーラー5番の悲しいメロディと相まってつい涙がこぼれます。
男はこうして死にたいね・・・。
フレンチオタクの若手社員が生意気ほざくシーンも好きです。
社会人になってあのシーンを見直すと「この社員の隠れた才能を有効に生かせない上司の責任は重い」という感想を持ちます。
有能な上司なら
「彼はフレンチが詳しくてフランスの有名店を渡り歩いた当社自慢のグルメ社員です。
さ、メニューがチンプンカンプンでも彼に聞けば、いちばんお気にいりいただけるワインとアントレを選んでくれるでしょう。」
と紹介したことでしょう。
タンポポは伊丹映画の最高傑作ですね。タンポポ万歳!