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タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)
 
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タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書) [新書]

永田 和宏
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

細胞という極小宇宙で繰り広げられる生命活動の主役はタンパク質である。それぞれに個性的なタンパク質には、その誕生から死まで、私たちヒトの一生にも似た波乱に富んだ興味深いドラマがある。数々の遺伝病やプリオン病・アルツハイマー病など、タンパク質の異常が引き起こす病気の問題も含め、最先端の科学の現場からレポートする。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

永田 和宏
1947年滋賀県に生まれる。1971年京都大学理学部物理学科卒業。森永乳業中央研究所、米国国立癌研究所、京都大学胸部疾患研究所を経て、京都大学再生医科学研究所教授。専攻は細胞生物学(元日本細胞生物学会会長)。歌人としての活躍も知られる。宮中歌会始詠進歌選者、朝日新聞歌壇選者など。歌集に『華氏』(寺山修司短歌賞)、『饗庭』(若山牧水賞、読売文学賞)、『風位』(芸術選奨文部科学大臣賞、迢空賞)、『後の日々』(斎藤茂吉短歌文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 218ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/6/20)
  • ISBN-10: 400431139X
  • ISBN-13: 978-4004311393
  • 発売日: 2008/6/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
 DNAには、タンパク質のアミノ酸配列が塩基配列としてコード化されている。
その塩基配列をRNAが読み取り、アミノ酸の鎖ができ、タンパク質が合成される。
本書を読む前からそのことは知っていたし、そのことだけでも、十分に生命の不思議を
感じていた。しかし、本書で丁寧に説明されているのは、その後のプロセスにおける、
生命の仕組みの驚嘆すべき精緻さである。
 一次元のアミノ酸の鎖から、どのようにして複雑な構造と機能を持つタンパク質が
形成されてゆくのか? 形成されたタンパク質は、細胞内をどのようにして
運ばれてゆくのか? 大きなタンパク質が形成されてしまった後では、膜を通過できない
場合があるではないか。その場合はどうなっているのか? 中にはタンパク質がうまく
形成されない場合もあるだろう。その場合はどのような機構が働くのか? 
 本書には、細胞内におけるタンパク質の誕生、成長、輸送、死、そして品質管理の
仕組みが、専門外の読者にもわかりやすく、読みやすい文体で記述されている。
ページをめくるたびに、細胞内に存在する精巧な機構に、驚きの声をあげそうになった。
分子生物学が明らかにしたところによると、我々の身体を形づくっている細胞の中で、
音も立てずに素晴らしいスピードでまことに合理的な機構が働いているのだ。
この仕組みが、進化の過程で発達してきたことを考えると、生命の不思議さに
改めて感動する。
 著者もあとがきで述べているが、いわゆる「科学もの」は一般の読者に伝えるのが
難しい。正確に伝えようとすると専門的になりすぎ、一般を意識しすぎると中途半端
なものになってしまいやすい。本書は、そのような困難な課題をみごとに乗り越えて、
正確でかつ一般の読者にも分かりやすい、稀有な書物である。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
細胞の中で各種のタンパク質が生み出されて、その働き場所に輸送される。不具合が生じると修復され、細胞の中で「品質管理」をされながらそれぞれの機能を果たす。そして、時が来れば死を迎えて分解され、その構成要素がまた新たなタンパク質を生産する素材に利用される。このようなタンパク質のライフサイクルをわかりやすく解説し、タンパク質生産の異常がどのような病気と関係するか、例えばアルツハイマー症やBSE(狂牛病)との関係なども解説してくれる。多種にわたるタンパク質の働きぶりや、細胞中の小器官(オルガネラ)などの役割説明も行き届いていて面白い。

かなりの程度、専門的内容を盛り込みながら、読者を飽きさせず、説明の流れも「ライフサイクル」という全体の構造にそって、読者を沈没させずに滑らかに導いてくれる。内容的には、「動的平衡」というキャッチコピーで同じような内容の本を書きまくる某著者の「ベストセラー」よりも、かなり上をいっている、と見受けた。
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
最高の名著だ。ものすごく面白い。息をのむような、タンパク質の世界が広がっている。本書は細胞生物学の読み物。それも、タンパク質の生成から消滅までを人の一生のように語った本である。

DNAの転写と翻訳を経て、アミノ酸が生成される過程は知られている。タンパク質はアミノ酸が集まり、複雑な構造を取ったもの。ではアミノ酸が生成されれば、タンパク質は自動的に形成されるのか。以前はそのように考えられていたらしい。DNAからタンパク質への過程はそう難しくないと。しかし、アミノ酸からタンパク質が作られるときには、DNAの物語に匹敵するほど凄まじい世界が広がっていることが明らかになってきた。それが、アミノ酸からタンパク質を作り出す際に助けとなる、分子シャペロン。分子シャペロンによるタンパク質の合成は、とても美しく、驚かされる。

ついで生成されたタンパク質は、細胞内の様々な場所や細胞外に運ばれる。その運搬(「交通」)の仕組みも驚かされる。細胞内にある、タンパク質を運ぶレール。そのレールを上り・下りどちらかに動くモーター。また、核やミトコンドリアでのタンパク質の取り込み方。

さらに、不要となったタンパク質の回収、リサイクル方法。ユビキチン・プロテアソーム系分解による選択的分解と、オートファージによるバルクの分解。タンパク質の効率的な分解、リサイクルの仕組み。

最後に、生成において不良品となったタンパク質への対処法。ここは製造業の工場での品質管理になぞられて説明されている。これはとてもうまい説明だ。生産ラインを止める、不良品を修理する、不良品を廃棄する、工場を閉鎖する。ここでも、細胞が備えているシステムのすばらしさに感嘆する。

総じて著者の説明の仕方がうまく、どんどんと引き込まれていく。そうして明らかになる細胞のシステムにただただ驚くばかりである。ここまで面白い生物学関連の本は、久々である。願わくば、次に読むと良い読書案内があるとよかった。そう思うほど、すっかりタンパク質の世界に魅せられてしまった。
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