箱入りの分厚いタロット本。
まず始めに注意していただきたいのは、この本はタイトル通りタロットに描かれた象徴を解説した事典で、占い方をレクチャーしたものではない。タロットを展開する為の方法などには触れられていないので、タロットカードを手にしたばかりの人が、取りあえず占い方を学ぼうと思ってこの本を購入しても、実際にカードを並べて占うことはできない。
カード一枚に対する説明が詳しく、たっぷりページ数をとっているのが特徴。カードに描かれたシンボルにどのような意味があるのか、なぜこの位置に配置されているのかといった意味を解説している。
ウェイト版の他、ヴィスコンティ版、エステンシ・タロット(シャルル6世のタロットと混同されていたもの)、マルセイユ版についての説明もある。図柄の解説の他に、お馴染みの正位置・逆位置の意味があり、こちらは特に恋愛については別枠を設けている。
ウェイト版には特に重点を置き、「The Pictorial Key to the Tarot」から引用したりしつつ詳しく解説している。
小アルカナについてはウェイト版を基本にした解説。
キリスト教的なシンボル、美術としての当時の流行、カバラについてなど、様々な側面からカードを読み解く手助けをしてくれる一冊。カード一枚についての説明が長く、かなりのボリュームがあるので、ある程度タロットに慣れてきて、より詳しくカードの意味を知りたい、自分なりにじっくりと図柄を読み解いてみたいという人に向いているかもしれない。巻末には「特筆すべき用語集」が付属している。
星を5ではなく4にしているのは、どちらかといえば大アルカナぐらいはウェイト版重視ではないものを探していたこと、この手の事典形式のものにわざわざ恋愛占い用として別枠を設けるよりは、他の記述スペースを使って貰いたかったというような、個人的な満足感の度合いによる。シンボルを一つ一つ丁寧に拾い上げていて、説明も丁寧で分かりやすいので、少々お高い本ではあるが、それに見合った価値はあると思う。