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タネが危ない
 
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タネが危ない [単行本]

野口 勲
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

手塚治虫『火の鳥』初代編集者となり、我が国で唯一、固定種タネを扱う専門店三代目主人が、日本農業を席巻するF1(一代雑種)技術が抱えるリスクを指摘、自家採種をし、伝統野菜を守り育てる大切さを訴える。

内容(「BOOK」データベースより)

手塚治虫『火の鳥』初代担当編集者となり、我が国で唯一、固定種タネのみを扱う種苗店三代目主人が、世界の農業を席巻するF1(一代雑種)技術が抱えるリスクを指摘、自家採種をし、伝統野菜を守り育てる大切さを訴える。

登録情報

  • 単行本: 203ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/9/6)
  • ISBN-10: 4532168082
  • ISBN-13: 978-4532168087
  • 発売日: 2011/9/6
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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38 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
前半は少年時代に手塚治虫に夢中になり、虫プロの編集者になって火の鳥の編集者になった著者の経歴が記される。そして、虫プロが倒産してから家業の種屋を継ぐことになるが、その時手塚漫画からの教えが、固定種専門の種屋となって花開く。
ここからが、本書の主題である。

今、日本で売られている野菜のほとんどがF1という種苗会社でつくられた規格野菜をつくるのに好都合な種であり、同じものがつくることができない仕組みの種である。
このF1という種のつくり方も、はじめは自家受粉をしないよう「除雄」というおしべを除く方法、次いで自家不和合性という性質を逆手にとった方法、そして今多用されているのが「雄性不捻」という花粉をつくれなくなった突然変異種を使う方法である。
なお、この「雄性不捻」は、ミトコンドリアの異常によって引き起こされるという。
くわえて、実はこの受粉にはミツバチが大量に使用されているという。

著者は、そこからミツバチ大量失踪のなぞも、雄性不捻というミトコンドリア異常の植物の花粉を摂取し続けてきたミツバチにもミトコンドリア異常が起こっているのではないかとの仮説を立てている。

つまり、われわれが今普通に食べている野菜は、そのほとんどが雄性不捻というミトコンドリア異常の植物なのである。
もし、著者の仮説が正しいとすれば、我々人間にも危機が迫っているのかもしてないと思うと背筋が寒くなってくる。

そして、遺伝子組み換え作物の遺伝子組み換え技術も紹介し、その種子が発芽と同時に死んでしまうアポトーシスを組み込んだものまで登場している現実を示し、この花粉が広まればすべての植物が死滅してしまう可能性をも述べている。

改めて、前半で紹介されている「火の鳥」の最終章の言葉が重く響く。「でもこんどこそ…生命を正しく使ってくれるようになるだろう…」

著者のように、古来からの伝統である固定種の種を販売し続ける活動を支持したい。
そして、我々消費者も、野菜の形ばかり求めるのではなく、不ぞろいでも個性のある野菜たちを手に入れるようにしていきたい。

本書をきっかけに、固定種農業が普及することを願うばかりである。
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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 農民
タネ屋さんというのをご存知でしょうか?
今はスーパーの隅っこやホームセンター、ドラッグストアなどで売られている野菜などの種は、昔は専門の店で買うものだったようです。
この本は、そんな昔ながらのタネ屋さんが書いた本です。

でも、この人の経歴がすごい。あの漫画の神様・手塚治虫の担当編集者だったというのだから驚きです。
とはいえ、大手出版社の編集者ではなく、手塚治虫が作った『虫プロ』の編集担当だったらしいので、実質は手塚治虫の秘書のような立場だったのでしょうか?神様の息遣いが感じられそうな体験記に、手塚ファンとしては思わず熱くなってしまいました。

とはいえ、それは前置き。
この本の主題は、タネというものが農業にどれだけ影響を与えているのか。タネを通じて農業の現在と未来を見つめます。

よく、「昔の野菜は今よりも美味しかった」と言われます。
ほとんどの人(私を含めて)は、その理由を「昔は化学肥料を使わずに、ちゃんと人間が手間暇かけて育ててたから・・・」と思いがちですが、実際はもっと簡単。「そもそも違う野菜だから」です。

「え? それってどういうこと?」と疑問を持たれた方は、ぜひこの本を読んで、その答えを確かめてください。
「それくらい知ってるよ」という方も、その知識をさらに深められること請け合いです。

TPPで外国産野菜が入ってくると騒がれていますが、実は、国内で作られている作物のタネのほとんどが外国で作られているという現状に気づいている人はどれだけいるでしょう?
タネはすべての始まりです。
始まりの物語に耳を傾ける時が来ているのだと思いました。
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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
伝統的な固定種を売るタネ屋は元手塚治虫氏の「火の鳥」担当編集者だった、という異色の経歴を持つ著者。
生命の尊厳と持続可能な地球をテーゼとした手塚イズムが根底の現役タネ屋という、興味深い立ち位置から、大胆な仮説も含めた問題提起をしています。

固定種とF1種とGM種はどのように違うのか。どのように採種(&改良&新品種として誕生)され、市場に出回っているのか。
生産農家ですら、自分の蒔く種がどのように生まれてきたのかも知る由もなく、消費者がスーパーなどで手に取る野菜がどのような経緯で生まれた種から育ったのか、知ることなどできようがない、ということが読み進めていくうちに解ります。
また、他章で扱っている問題はさらに深刻で放射能問題と同じく先の見えない問題が横たわっているという印象がしました。

昔話などが冗長だったり、裏付けや実証に乏しい部分もありますが、それで捨て置くには実に勿体ない内容です。
映画「踊る大走査線」の青島捜査員よろしく、まさに種をとりまく「事件は現場で起きて」います。そこで何が起きているのか食糧危機が叫ばれるこの時代だからこそ、一読するに値する良書だと思います。
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