後書きで、この作品について必要とされる人だけついてくればいい、孤高を選ぶと断言されている以上、レビューは書くべきではないのかもしれないが。
あるのは陰惨な暴力。ぬくもりも説得力もない陳腐な心理の変遷と稚拙な人間関係。
手前勝手な人物の垂れ流すモノローグを耐えていたら疲れてしまった。
なによりも登場人物の誰一人魅力がなかったことが堪えた。
だいたい魅力の無い人間がどうなろうとかまわないわけで、それだけで本を手に取る意味は無い。
ところで、「陋劣」という言葉が今の栗本薫のマイブームなのだろうか。
文中に使いすぎで創意工夫もないのはプロ作家としてどうなのかと不思議でならない。
その昔、冷酷無比のサディストだった蛇の化身が、愛する相手を見出した後に辿った運命に胸を打たれたものだった。
あのせつなさはどこに行ったの?
これを世に出す意味を誰か教えて。