サンデーの連載で毎週読むのと、完結して一気に読むのとどちらが良いのか?この完全版は、その追体験を可能にしたファンが待っていた雑誌掲載時のカラー掲載も完全収録した単行本です。
少年サンデーの二枚看板としてに1981年から1986年まで連載され、アニメ化、映画化もされ絶大な支持を受けた青春まんがの金字塔です。
群馬県が生んだ天才まんが家、あだち充。2011年にはめでたくデビュー40年を迎えました。あだち先生、おめでとうございます。
私が初めて読んだのは「ナイン」でした。そして「みゆき」と「陽あたり良好! 」で夢中になり少ない小遣いで夢中で単行本を読みました。「タッチ」と「みゆき」の同時連載、そしていずれも大ヒットとなったのはみなさんご承知の通りですが、サンデーの二枚看板高橋留美子先生も「うる星やつら」「めぞん一刻」
を同時期に連載し、こちらも超ヒットとなっています。
あだち先生も高橋先生も、初期の画風は粗削りな劇画っぽいタッチが特徴でした。どこかで聞いた話ですが
「うまい漫画」の特徴は、省略の技巧にあるといいます。タッチの頃に今のあだち先生タッチが出来上がったように思います。
あだち先生のコマ割りは大体4〜7コマで割ってあるようです。そして独特なテンポ、少ないネーム、その心理や心象を絵だけで追うコマ割り。精緻な背景画、忘れぬファンサービス(ムフフ)。
例えて言えば、長距離ランナーのようにも思います。ご本人はちんたらちんたらと仰っていますが、ペース配分も心得ているからこそ、スパートはズバ抜けて熱い。そんな気がします。
10巻の須見工戦の最終回、達也と新田の対決。とってもハラハラしました。と同時に南の心情や、新田有加
の板挟みの気持ち、柏葉英二郎の復讐劇の帰結も多彩に織り交ぜる話の運びは見事なかぎり。
未完成の少年少女を描き続けること40年。単行本は2億冊。一家に2冊はあだち充。
達也と和也、そして幼馴染だった南。双子だったからこそ解っていた互いの性格、そして幼馴染だと思っていた南をそれ以上に意識するようになった季節。
音も立てずに過ぎていく青春には、悲しみがいっぱい。コメディもふんだんに織り込みながら、がむしゃらに打ち込む野球。達也にはしんどいけれど、果たせなかった和也の想いと南の約束をボールに乗せて甲子園
を目指す。
私は須見工の監督の言葉が好きです。真っ向勝負を終えた新田にかける彼の言葉は心に残ります。
震災で世の中暗くなりがちですが、ぜひ「タッチ」を読み返して下さい。ちょっと元気がでるかもしれません。
それでは皆様、
おあとがよろしいようで (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)