著者は,世界的にはタグチメソッド,日本では品質工学と呼ばれる分野の創唱者であるが,その関心は純理論よりはきわめて実践的な生産現場における生産性の追求に向けられているようだ。氏自身(株)オーケン社長,ASI EXECUTIVE DIRECTOR などとして実業の場でタグチメソッドの実践をリードしている。こうした姿勢は若き日の氏が初めて手がけた「実験計画法」の開発と「直交法」の効果的な応用以来一貫して貫かれている。
氏自身が総括したおもな業績は次の3つである。第1は,生産性向上などの目的で実施する対策の効果を効率的に評価するため「直交法」を使いやすくしたこと。第2は,機能性の評価を行うための「SN比」(シグナルとノイズの比率)の概念の活用。第3は,経営が政策決定に際して行う選択の経済的な評価を行う「損失関数」の導入である。これらは高度に数学的理論的な裏づけをもちながら,極度に実践的な応用であるところに特色がある。
タグチメソッドはいまも成長を続けている。氏は70年代後半からインドの統計学者マハラノビス氏提唱の「マハラノビスの距離」を応用し,「損失関数」の理論を発展させる作業に取り組んだ。その具体的な成果が東京逓信病院と協力して行った診断ミスを極度に減らす新診断法の開発で,MTS(マハラノビス・タグチ・システム)の誕生につながった。氏が待ち望んでいるのは21世紀の総合計測法としてMTSがさまざまな分野で活躍する日の到来である。 (評論家 和田 正光)
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もちろんタグチメソッドがどういう理論であるかも詳細が記述されていますので、入門書としても十分理解できます。背景の考え方がわかりますので、へたな入門書よりもよく理解できると思います。
本人が書いているので多少は手前味噌のところもありますが、田口さんがどういう生い立ちであるかを知ることで、タグチメソッドがどういうものであるかを、より理解できました。また、前述のように、発想の方法がわかり、参考になりました。タグチメソッドに興味のある方は、ぜひご一読をおすすめします。
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