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45 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宇宙時代の人間讃歌,
By mehori (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: タウ・ゼロ (創元SF文庫) (文庫)
亜光速のスピードで32光年離れた乙女座ベータに向かうはずだった宇宙船が星間ガスと衝突し、その衝撃がもとで減速できなくなるという筋立て。相対論的なスピードで進む宇宙船と故郷の太陽系との時間は100年、1000年、10000年とずれてゆくなかで、帰還の希望も絶たれた船員たちの生き残りをかけた戦いが描かれるのですが、その最大の敵は人間自身の心の絶望なのでした。 読者の視点は主に護衛官レイモントを追いかけますが、この一見マッチョで強権的で有無を言わせない主人公が、実は人間のもろさや弱さを知り抜いていて、絶望的な状況でも船員全体の社会が崩壊しないように、あくまで前向きに画策する姿は感動的です。副長リンドグレンの存在も、女性の強さ、弱さを醸し出してドラマに深みを与えています。 話の展開とともに幾何級数的にスケールが大きくなってゆくのも、SF の醍醐味。ハード SF として紹介されることが多い本書ですが、理論的な話題は人間ドラマの中に句読点のように挿入されるだけですので、読み飛ばしてもかまわないでしょう。実際、冷徹な宇宙の描写と、混沌とした人間ドラマの描写は作中で対立するように描かれていて、無限に空虚な宇宙に対峙した人間の生命力に対する讃歌とも読み取れます。 このテーマに哲学的な思索や、文学的詠嘆や悲劇を加えれば、優れた文学作品にもなり得たはずですが、作者はあくまで娯楽作品としてのペースと雰囲気を守って仕上げています。SF ファンのみならず、未来への希望を失っている人にすすめたい一冊。
20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
とにかくスケールがでかい!,
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レビュー対象商品: タウ・ゼロ (創元SF文庫) (文庫)
金字塔です。SFファンは絶対読んでおかないといけません。 無限に光速に近づくことによる究極のウラシマ効果! 宇宙旅行から帰ってきたら地球がサルに支配されていた、なんて比じゃ無いです。
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
宇宙論と恒星間飛行にまじめに取り組んだ作品。船内クルー達の生き様もまじめに描く,
By sanjunio (大阪府豊中市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: タウ・ゼロ (創元SF文庫) (文庫)
科学的根拠に基づいた恒星間飛行と宇宙論が核になっている本作品は、専門家とは言わないけれども宇宙論が好きな人にはたまらないと思う。作品自体が70年代なので、分かる人にはかなり理論が古いのだろうけれど、僕はもう今の10次元だの超ひも理論だのさっぱり分からないから、別に古さは感じなかった。おもしろいのは、宇宙論もさることながら、宇宙船の推進理論だ。バサードエンジンとか恒星間ラムジェットエンジンとかいう名前ででてくるが、燃料を積んで飛ぶ代わりに宇宙にちらばる物質をどんよくにとりこみ、その中から水素原子だけをよりわけてそれを燃料にしてしまうという理屈だ。船をとりまく巨大なエネルギーの渦が宇宙物質を飲み込みながら宇宙の深淵なかをばく進していく様子を想像するのはとてもエキサイティングだ。 それに加えて、タウ・ゼロを最高のハードSFといわしめている要素として、50人の乗組員達が、この想像を絶する状況下において、いかに秩序を保つために規則や環境を創造し維持していくかという部分も宇宙論に負けず劣らず現実的であり論理的である。 さすがに70年代の小説だけあって、誰とでもホイホイ寝ちゃうところが21世紀の常識から考えると違和感があるけれども(ちょっとうらやましかったりしたり)、そういう行為も人間性を保つための必要な行動と捉えられているので決してうわついてはいない。
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