「タイ語の本音」といっても、タイ語についてのマニアックなうんちくをひたすら語るわけではありません(実はそれをちょっと期待していたのですが……)。
基本的にはタイおよびタイの文化論。
いや、文化論というとちょっと重いかもしれません。
タイ語の単語をベースにしながら自由に語るエッセイ集、エピソード集という趣です。
「海外についてのエッセイ」というと、その国のことをベタ褒めし、日本が何を学ぶべきかを説く、というものが多い気がします(特にヨーロッパについての本は)。
本書は逆に、タイ人のいいところはもちろん語りつつ、それと同程度にけなします。
いわく、「サボってばかりいる」「言い訳ばかりする」「そもそも規律を守ろうという意識がない」など……。
ひょっとしたら、けなしているほうが多いかも(笑)。
にもかかわらず、著者のタイとタイ人への愛の深さはびんびんと伝わってきます。
好きだからこその悪口、そしてタイ人の複雑な性格を知り尽くしているからこその悪口なのでしょう。
表面だけを見て、「○○人に学べ!」などと書く本とは、深みが違います。
タイ人がとても身近な存在に感じられる、お勧めの一冊です。