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そのELOも超絶的な成功を収めて以降、方法論が成熟を越して「マンネリ」に陥る危険性をはらんだ時期、ジェフがトレードマークのストリングスを放棄し、そこに大胆なエレクトロニクスを導入して世に問うた一世一代の冒険作が本作である。
結果から言えば「大成功」。その秘訣は、「限りなく暖かいヒューマンなシンセサイザー」これに尽きる。今までのELOの持ち味であるポップスとしての魅力をシン??の可能性に託し最大限に効果的に表現したという意味では、シンセポップの金字塔ともいえるのではないか。
名曲「トワイライト」の前にはもうひれ伏すしかないだろう。イントロのシンセの一音から耳について離れない。そして個人的にはジェフの曲の中でも一二を争う名曲と疑わない「21センチュリー・マン」ジェフのメロディセンスが爆発である。胸を締めつけるノスタルジックなメロディが堪らない。シングルヒットした「ホールド・オン・タイト」は軽めのアンコールといった感じ。
ELOとしては本作を契機に失速したこともあり、一部でネガティヴな印象を持たれているかもしれないが、これは間違いなく傑作である。ジェフのファンは勿論、ポップスのファンは避けて通るべきではない。
もともとELOはロックバンドがユニットとしてクラシック楽器奏者を含むことで、ビートルズがEleanor Rigbyで試みたことを究めるというコンセプトで始まりました。しかしそのサウンドスタイルは徐々に変化し、管楽器奏者の不在、オーケストラの導入などの変遷を経て、70年代末には強力なポップチューンに華麗なオーケストレーションと小気味のよいシンセサイザーを配するものとなっていました。そうして生まれたのがELOの最高傑作として称されるOut Of The Blueや、全世界でメガヒットを記録したDiscoveryなのですが、リーダーであるジェフ・リンはストリングスを使用するという制約を取り除き、かわりにシンセサイザーをこれまで以上に導入して新たな方向性を打ち出そうとしました。そうして81年に発表されたのがこのTimeです。
「時」をテーマに構築されたコンセプトアルバムであり、当時話題になった、「既に80年代を回顧する曲もある」などは時代を感じさせますが、アルバム全体を貫くポップセンスは今も古びることがありません。Twilightはジェフ・リンがこれまで作った中でも最高ランクのキラーチューンですし、21st Century Manは聴くものの心を打つ素晴らしい曲です。その他の曲も水準が高く、さらにボーナストラックとして入っているJulie Don't Live Hereはなぜアルバムに入らなかったのかが疑問視されるほどの名曲です。
いわゆる「ファン」からはベストにあげられることは多くないアルバムですが、それはストリングスの使用が制限されているなどといった、これまでのELOの路線からはずれていっているという理由も考えられます。もしあなたがDiscoveryを聴いて、Xanaduを聴いて、もっとELOのポップセンスを堪能しようと思ったとしたら、是非この作品にトライしてみて下さい。
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